子どもにとって、受験と自分との位置関係は正しく認識できないものです。従って勉強しなさいと煩く言われても、ゴールと自分との距離が全く分からず、泣きながら走るしかありません。勉強のペースも把握できないので、不安は消えることがありません。考えてみれば、大変辛いことを子どもたちに課しているわけです。そこで、塾が大きな役割を果たすことになります。子どもに掛かるプレッシャーの全てを取り除いてくれるわけではありませんが、塾の講師はゴールと子どもたちとの距離を測ることが出来るプロであり、ペース配分を割り出すのも造作ありません。その講師から勉強を教わることで、子どもたちは自分の位置を把握し、意欲的に勉強することが可能になるのです。
子どもは素直ですから、親や講師に言われたことを信じて、必死に勉強します。しかし中々思い通りに成果を出すことが出来ず、不安に駆られることもあります。何としても合格させたい親にとっても、子どもの成績が上がらないのは大変なストレスになります。そこで講師は様々な励まし、アドバイスを与え続けて鼓舞します。失敗した、挫折した子どもに対しても怒ることなく、越えられる目標を新たに設定し、それをクリアすれば褒めてあげるのです。そうすれば子どもたちは再び発奮して勉強に取り組むようになります。こうした励まし方は子どもたちを助けます。最終ゴールである合格という文字を必要以上に気にすることなく、目の前の勉強に集中できるからです。もちろん保護者にとっても有難い指導方法でしょう。気付いた頃にはほとんどの子どもが合格ラインに近付いており、最後はその合格を見定めて突っ走るだけなのです。